看護師を辞めたいと思ったときの対処法【元看護師が解説】

看護師として働く中で、『もう、看護師を辞めたいな…』と感じている時もあるのではないでしょうか。
ここでは、元看護師として看護師を辞めたいと感じているあなたに向けて、看護師を本当に辞めるべきなのか、看護師を辞めるたいときの対処法について解説していきます

看護師を辞めたい人は多い

日本看護協会の報告によると、2016年度の正規雇用看護職員離職率は10.9%、新卒看護職員離職率は7.6%というデータが出ています。もちろん、病院や地域によって数値に差はありますが、平均すると10人に1人程度は看護師を辞めたいと感じているのです。実際に、私も看護師として転職を1回経験しており、2回目の転職でメディア系の企業に入社しました。

看護師を辞めたいと感じる5つの理由

「とにかく看護師を辞めたい…」と悩んでいるあなたへ。ここでは、看護師が仕事を辞めたいと感じる5つの理由を紹介します。
まずは、なぜ看護師を辞めたいのか、心の中を整理してみてはいかがでしょうか。

人間関係が悪い

看護師の退職理由で多く挙げられるのが「人間関係」です。

特に、看護師同士の人間関係の悪さが居心地の悪さに繋がり、退職を決意するケースが多いようです。新人看護師は、先輩やプリセプターに指導を受ける立場ですので、注意を受ける場面が多くストレスを感じてしまいます。一方で、指導する側の看護師も新人と上司に挟まれる立場になるので、思うように業務に取り組むことが出来ずに悩みを抱えてしまう方もいます。

プライベートの時間が少ない

看護師の勤務はシフト制の場合が多いので、休日が不規則であったり、1ヶ月以上先の予定を立てにくかったりとプライベートの時間を設けることが難しいです。また、看護研究、勉強会、委員会等を休日に入れられる場合も多いようで、「連続20日病院に来ている…」なんて事態も珍しくありません。これは師長さんのシフト作成能力にもよりますが、同僚も同じ思いをしている中で『自分だけ変更してほしい…』とは、言いにくいのが現状ですよね。

仕事はもちろん大事ですが、プライベートの時間少ないと何のために働いているのか分からなくなり、看護師を辞めたいと感じてしまうのです。

仕事の責任が重い

看護師の業務は、患者さんの命に関わる責任が重い仕事です。自分の犯したミスにより、患者さんの命を脅かしたり、先輩に迷惑を掛けてしまったりするのではないか…と、仕事へのプレッシャーに押し潰されそうになってしまう方もいます。これは看護師として働いている限り、逃れられない責任でもあるので、上手に向き合っていく必要があるでしょう。

過重労働で体力的に辛い

看護師は、夜勤や肉体労働が多く体力勝負の仕事でもあります。そのため、体力的に限界を感じ、看護師を辞めたいという場合もあります。人手不足の場合は、受け持ち患者を増やされたり、夜勤を多く入れられたりと、一人あたりの業務量が増えて、”体力的には辛いのに人手不足で辞めにくい”という最悪の状況に陥るケースもあります。

看護師に向いていない

看護師になってみたものの、看護師業務自体が辛いというケースです。患者さんのケアや医師の介助など看護師の業務が辛い、患者さんやご家族とのコミュニケーションが苦手など、看護師という事態にストレスを感じてしまう場合です。このケースの場合は、看護師の資格を生かした別の業種や看護師とは関係ない仕事にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。看護師資格は、病院を辞めても無くなるわけではありませんので、自分が本当にやりたいことを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

看護師を辞めたいときの解決策とは

「看護師をとにかく辞めたい」とは思うものの、働かなければ生活は出来ません。まずは、”看護師を辞める”ではなく、”看護師を続けるための方法”を考えてみてはいかがでしょうか。人間関係や就労環境の悩みは、病院や業務形態を変えることで改善される場合もあります。ここでは、看護師を辞めたいときの解決策をご紹介していきます。

今の職場で異動願いを出す

総合病院や大規模な医療機関の場合には、転職をせずに今の職場で異動するという方法もあります。特定の相手との人間関係が辛い場合には、別の病棟に異動、夜勤が辛い場合には、外来に異動で解決する場合もあります。

メリット:転職活動の必要がない、同期や仲の良い同僚と同じ病院で働き続けることができる、寮の場合引っ越しの必要がない など

デメリット:すぐに異動させてくれるとは限らない、希望の部署に異動できるとは限らない、今の職場よりも辛い環境の可能性もある など

病院を変更する

今の職場の人間関係や職場環境が合わない場合には、病院を変更する方法があります。これは一般的な転職ですが、夜勤が辛い場合には病棟勤務からクリニックに転職。医療的処置が苦手な場合には、採血のみの健診センターに転職することで、ストレスの原因が減り看護師として働き続けることができるかもしれません。(ちなみに、私はシフト制勤務が合わなかったので、土日祝休みのクリニックに転職した経験があります)

メリット:苦手な人と離れられる、勤務形態を変更できるなど

デメリット:転職活動が必要、給料が下がる場合もある、転職先の人間関係が良好とは限らないなど

休養・勤務時間を減らす

過重労働やプレッシャーなどで心身ともに疲労してしまった場合には、思い切って休職をしたり、派遣勤務などに変更して労働時間を減らしたりするのも一つの方法です。無理をして仕事を続けても、余計にストレスが溜まってしまい、看護師として働き続けることができなくなる可能性もあります。一度、ゆっくりと休む時間を作ってみても良いかもしれません。

メリット:心身を休めることができる、時間が出来て今後についてゆっくり考えることができるなど

デメリット:休養中の所得が減ってしまう、看護業務から離れることでブランクができ戻りにくくなるなど


職種を変える

看護師の資格を生かして、別の仕事をするという選択肢もあります。コールセンターや医療相談、医療系の企業では未経験であって医療系の有資格者であれば、採用をかけている企業も多いです。医療業界に興味はあるけれど、看護師の業務が合わないという方にはおすすめです。(私も看護師を辞めたあと、医療系メディアの会社に転職しました。)ただし、職種を変える場合には、新しいことを一から学ばなければなりませんし、未経験での転職は年齢を重ねる程難しくなりますから、少しでも他職種に興味がある方は、なるべく早い決断をおすすめします。

メリット:看護師の業務から離れられる、夜勤や不規則な勤務がなくなる(企業による)など

デメリット:新しい仕事を一から学ばなければならない、年齢が高いほど転職は難しくなる場合がある、給与が下がる場合があるなど

このように、なぜ辞めたいのかその原因によっては、看護師自体を辞めなくても解決する方法はあります。いま、あなたを苦しめている一番の原因は何なのか、一度ゆっくり考えてみましょう。

看護師を辞めたいのに辞められない理由

今すぐ看護師を辞めたいのに、踏み出せない。

その主な理由をご紹介していきます。

先輩・上司に止められる

先輩や師長さんが怖くてなかなか言い出せない…。この理由は、看護師を辞めたいと悩んでいる子からよく聞く理由の一つです。人手不足の病院では、退職の話を出すだけで、威圧的な態度を取られたり、無視されたりする場合もあるようです。ただ、このケース場合には、残念ながら退職の意志を貫き通す方法が最も有効です。退職までの数ヶ月は、嫌な思いをするかもしれませんが、退職してしまえば関わることはほとんどありませんので、同僚や友人などに話を聞いてもらいながら、退職日を待ちましょう。

奨学金を返せない

病院から奨学金を借りているため、退職を言い出せない人もいます。『○年間働けば、奨学金を支払わなくても良い』という契約の場合が多いので、途中で退職する場合には奨学金の返還を求められるのです。しかし、奨学金の返済を理由に病院側が退職を止めることは出来ません。また、全額返還しなくても良いケースや分割支払が適用されるケースもあります。病院側と話し合っても解決しない場合には、一度弁護士に相談してみましょう。

希望の転職先が見つからない

今の職場を辞めたいけれど、働きたい場所も見つからない。このような理由で、だらだらと今の職場に居続けるケースです。もし、あなたがそれでもやっていけるのであれば、そのまま仕事を続けるのも良いでしょう。年数を重ねるごとに、居心地の良い職場に変わっていく可能性があるからです。

『時間がなくて転職先を探せない』『自分に向いている病院がわからない』このような理由の場合には、看護師の転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。あなたの経歴やキャリアプランから、希望の転職先を提案してくれます。実際に、転職する際も病院側との面接の日取りや面接結果など、あなたの代わりにやり取りしてくれるので、働きながらでも転職活動を進めることができます。悩んでいる方は一度検討してみては。

▼おすすめの転職エージェント▼
マイナビ看護師

株式会社マイナビが運営する看護師の方のための転職・就職支援サービスです。
全国各都道府県の求人をカバーし、多くの好条件求人を取り扱い、 満足度に徹底的にこだわったサービスを展開しています。

>>>マイナビ看護師はこちらから<<<

終わりに

いかがでしたでしょうか。

皆様がより良い選択ができるよう、”看護師辛い辞めたい.jp”はこれからも陰ながら応援しています。

ABOUTこの記事をかいた人

看護大学にて、看護師,保健師の資格を取得。 都内の総合病院やクリニックに勤務後、医療系メディアの編集者に転職。 自身の転職経験から、看護師を辞めたいと悩んでいる方のサポートになるべく、メディアを立ち上げる。